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肥満と肥満症 サイエンス

「肥満」と「肥満症」の違いとは?

「肥満(ひまん)」と「肥満症(ひまんしょう)」

言葉は似ていますが、 その定義は大きく異なり、 「肥満症」は治療が必要な病気です。

difference between obesity and obesity

●「肥満」とは?

脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積している状態を指す言葉で、 体格指数 (Body Mass Index: BMI) 25以上のもの (35以上は「高度肥満」) と定義されています。

日本肥満学会の定めた基準では、BMIにより肥満度を以下のように分類しています。¹⁾

  • 18.5以上25未満:「普通体重」
  • 25以上30未満:「肥満(1度)」
  • 30以上35未満:「肥満(2度)」
  • 35以上40未満:「高度肥満/肥満(3度)」
  • 40以上:「高度肥満/肥満 (4度)」
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BMIとは

BMIとは「ボディ・マス・インデックス(Body Mass Index)の略で、 身長と体重から算出し肥満度を判定する国際的な体格指数です。  BMIの計算式は「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で、 日本ではBMI22がもっとも疾病リスクの少ない標準体重とされています²⁾。  また、BMIでは肥満に該当しても体脂肪率の低いアスリート体型や、 普通体重でも体脂肪率の高い隠れ肥満などのケースもあるため、 体脂肪率もあわせて確認することが重要です。

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BMIとは

BMIとは「ボディ・マス・インデックス(Body Mass Index)の略で、 身長と体重から算出し肥満度を判定する国際的な体格指数です。  BMIの計算式は「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で、 日本ではBMI22がもっとも疾病リスクの少ない標準体重とされています²⁾。  また、BMIでは肥満に該当しても体脂肪率の低いアスリート体型や、 普通体重でも体脂肪率の高い隠れ肥満などのケースもあるため、 体脂肪率もあわせて確認することが重要です。

 

 

●「肥満症」とは?

単なる「肥満」(脂肪蓄積)と異なり、 肥満に起因ないし関連する健康障害(合併症)があり、医学的に減量が必要な状態と定義されています。

肥満(BMI 25以上)で、 かつ肥満に起因ないし関連し、 減量を要する健康障害(表1)があるか、 または内臓脂肪蓄積*(内臓のまわりに脂肪が過剰にたまった状態)がある場合に「肥満症」と診断されます。¹⁾

また、BMI 35以上で健康障害あり、 または内臓脂肪蓄積ありの肥満の人は「高度肥満症」と診断されます。¹⁾

 

【表1】肥満に起因ないし関連する健康障害 ¹⁾

肥満症の診断に必要な健康障害

1耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
2脂質異常症
3高血圧
4高尿酸血症・痛風
5冠動脈疾患
6脳梗塞・一過性脳虚血発作
7非アルコール性脂肪性肝疾患
8月経異常・女性不妊
9閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
10運動器疾患(変形性関節症:膝関節・股関節・手指関節, 変形性脊椎症)
11肥満関連腎臓病

 

 

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海外と異なる日本の「肥満」の考え方

BMIの計算方法**は世界共通ですが、 世界保健機関 (WHO) の基準ではBMI 25以上を「過体重 (Overweight)」、 BMI 30以上が「肥満 (Obesity)」としています。³⁾  一方で日本ではBMI 25以上を「肥満」としています。  日本の肥満の判定基準 (BMI 25以上) がWHOの基準と異なる理由は、アジア人の肥満はBMIが高くなくても内臓脂肪の蓄積などにより、 健康障害のリスクが顕在化しやすいことが明らかになっているからです。⁴⁾ ⁵⁾

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海外と異なる日本の「肥満」の考え方

BMIの計算方法**は世界共通ですが、 世界保健機関 (WHO) の基準ではBMI 25以上を「過体重 (Overweight)」、 BMI 30以上が「肥満 (Obesity)」としています。³⁾  一方で日本ではBMI 25以上を「肥満」としています。  日本の肥満の判定基準 (BMI 25以上) がWHOの基準と異なる理由は、アジア人の肥満はBMIが高くなくても内臓脂肪の蓄積などにより、 健康障害のリスクが顕在化しやすいことが明らかになっているからです。⁴⁾ ⁵⁾

* 腹部CTにより測定した内臓脂肪面積が100㎠以上の内臓脂肪型肥満を指す。

** BMI (kg/m2) = 体重 (kg) ÷ 身長 (m) ÷ 身長 (m)

 

 

●「肥満症」は治療が必要?

「肥満症」は、 肥満に起因ないし関連する健康障害や内蔵脂肪蓄積がある状態で、 さまざまな健康リスクが高い状態のため、治療が必要な病気です

また、 内蔵脂肪蓄積に加えて高血圧、 高血糖、 脂質代謝異常の心血管危険因子のうち2つ以上が基準値***から外れている場合は、 BMIにかかわらずメタボリックシンドロームメタボ)に該当します。⁶⁾

メタボリックシンドロームは内臓脂肪症候群とも呼ばれ、 肥満症と同じく生活習慣病のリスクが高く、 治療が必要です。

 

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内臓脂肪蓄積とは

内臓脂肪蓄積とは腹部CTにより測定した内臓脂肪の面積が100㎠以上の状態を指し、 内臓脂肪面積が100㎠を超えると健康障害の合併リスクが著しく高まるとされています。⁸⁾  内臓脂肪蓄積は腹部CT検査の代わりにウエスト周囲長でも判断され、 日本人では男性:85cm以上、 女性:90cm以上の場合に、 内臓脂肪型肥満と診断されます。⁷⁾

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内臓脂肪蓄積とは

内臓脂肪蓄積とは腹部CTにより測定した内臓脂肪の面積が100㎠以上の状態を指し、 内臓脂肪面積が100㎠を超えると健康障害の合併リスクが著しく高まるとされています。⁸⁾  内臓脂肪蓄積は腹部CT検査の代わりにウエスト周囲長でも判断され、 日本人では男性:85cm以上、 女性:90cm以上の場合に、 内臓脂肪型肥満と診断されます。⁷⁾

*** 血圧:拡張期(最小)85mmHg – 収縮期(最大)130mmHg 血糖:空腹時血糖値 ≧ 110mg/dl 脂質異常:中性脂肪値 ≧ 150mg/dL かつ/または HDLコレステロール値 < 40mg/dL ⁸⁾

もしかして肥満症かも? 不安を感じたり悩んだら相談してみましょう。

肥満症は糖尿病や高血圧、脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病のほか、動脈硬化や変形関節症などを引き起こす原因となります。

まずはご自分のBMIをチェックして、肥満に関連する健康障害や内臓脂肪蓄積がある場合は医療機関に相談してみましょう

参照資料
  1. 日本肥満学会編:肥満症診療ガイドライン2022, ライフサイエンス出版, 2022, p.1-2
  2. 日本肥満学会編:肥満症診療ガイドライン2022, ライフサイエンス出版, 2022, p.8-9
  3. World Health Organization, “Obesity and overweight” https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/obesity-and-overweight (参照:2025-10-22)
  4. 日本肥満学会編:肥満症診療ガイドライン2022, ライフサイエンス出版, 2022, p.9
  5. Examination Committee of Criteria for 'Obesity Disease' in Japan; Japan Society for the Study of Obesity. New criteria for 'obesity disease' in Japan. Circ J. 2002 Nov;66(11):987-92
  6. 日本肥満学会編:肥満症診療ガイドライン2022, ライフサイエンス出版, 2022, p.18-19
  7. 日本肥満学会編:肥満症診療ガイドライン2022, ライフサイエンス出版, 2022, p.19-20
  8. 日本肥満学会編:肥満症診療ガイドライン2022, ライフサイエンス出版, 2022, p.21-22

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